日 時 |
2024年9月21日(土) 14:00~17:00 ★終了しました |
講 師 |
安倍雅史(東京文化財研究所文化遺産国際協力センター保存計画研究室長) |
テーマ |
「謎の海洋王国ディルムン:メソポタミア文明を支えた交易国家の勃興と崩 壊」 |
場 所 |
東京外国語大学本郷サテライト(対面方式) |
テーマはバハレーンに栄えた海洋王国ディルムンです。メソポタミア文明を交易で支え、この国に約75000基の古墳を造ったディルムンの発掘調査と新事実を講義します。
BC2300年頃バハレーンに人々が移住しディルムンの礎を築き形成期(BC2300~2050)となったのですが、当時バハレーンの住人は海上交易で活躍はしませんでした。
BC2003年よりメソポタミアは群雄割拠の地となり、その機にディルムン王国は海上交易の覇権を握り文明期(BC2050~1700)となります。ディルムン商人の円形印章がメソポタミア各都市やマガン(現オマーン、UAE)、メルッハ(インダス文明地域)、アフガニスタンからも発見され広大な活動範囲が推定されます。王都も発見され、また特に巨大な古墳から王名を記した石製容器が出土し権力ある王が確認されました。しかし繫栄の直後にディルムン王国は流通ルートの激変により崩壊します。
日本隊は2015年より、ディルムン形成期のワーディー・アッ=サイル古墳群を調査しています。形成期の古墳は積石塚で(文明期は墳丘塚)、ここでBC2300年頃移住した人々の故地が問題となります。墓の造り方を見ると、かつてはマガンからの移住とされましたが墓が異なります。形成期に似た墓を探すと砂漠の遊牧民アモリ人の墓となります。結論としてディルムンはアモリ人がバハレーンに移住し築いた国家と言えます。
日本隊は今年度から最古の王墓があると見られるアアリ王墓群西の調査と、沈没船を探す水中考古学調査も認められています。
(まとめ:滝沢 玲)
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