日 時 |
2022年9月17日(土) 13:30~15:00 |
講 師 |
角道亮介(駒澤大学准教授) |
テーマ |
「"中国的"文明の形成ー青銅器祭祀の継承と変容ー」 |
場 所 |
Zoom オンライン形式 ※レコーディング(録音)・引用等は不可 |
中国の黄河流域、いわゆる中原地域は、新石器時代(前10000年頃~前2000年頃)を経て、初期王朝時代(前1800年頃~前771年頃)には、二里頭、殷、西周などの王朝が出現しますが、前221年に秦の始皇帝が中国世界を統一します。
中国では費孝通や蘇秉琦といった研究者らによって、中国各地でそれぞれ違った発展の経緯をたどってきた個々の文化が、新石器時代に一体化したと言う、多元一体説が広く受け入れられていますが、先生は新石器時代の文化融合には懐疑的であり、むしろ何か“中国独特”の文化様式の出現は初期王朝時代に起こったと考えています。特に、初期王朝時代の特徴として、1)饗宴のための中庭を持った宮殿構造の出現、2)祭祀用の青銅器による先祖崇拝儀礼の二点が、初期王朝時代に始まった“中国的”な文化要素の始まりであると考えておられます。
宮殿への中庭設置については、二里頭文化以後、殷、西周、漢時代にも引き継がれ、祭祀に用い垂れた飲食用の青銅器に祖先の名前が記されることから考えると、この場所で飲食用青銅器による先祖崇拝儀礼が行われたと考えられます。中原では、鏃などの武器や、農具などに青銅器はあまり使用されませんでした。春秋戦国時代になると先祖崇拝儀礼も形骸化し、青銅器の形態も変化し埋葬用の青銅器が作られ、さらに、秦統一時代になると祭祀用の青銅器は出土しなくなります。
(まとめ:田代茂行)
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