2019年11月の講座

「令和元年のアンデス」

日 時

 2019年11月16日(土) 14:00~17:00 ★終了しました

講 師

 大貫 良夫(野外民族博物館リトルワールド館長/東京大学名誉教授)

テーマ

「令和元年のアンデス」

場 所

 東京外国語大学本郷サテライト 5階 【アクセス】

【要旨】

 7月から10月中旬の3か月余りペルーを訪問し、クントゥルワシをベースに考古学関連のイベントに参加したり、幾つかの遺跡を見てきました。

 

 参加したイベントの主なものは、①カハマルカ地方での日本調査団活動40周年記念展覧会開会式、②チャビン発掘百周年記念シンポジウム、③クントゥルワシ博物館開館25周年祝賀会等です。①は、調査団の活動の歴史を分かりやすくまとめて展示パネルにし、発掘された土器類などを展示したものです。②には、米国からアンデス考古学の大物の二人の教授、国内からカラル遺跡発掘で有名な女性学者等も参加していました。

 

 訪問した遺跡の主なものは、①モンテグランデ②チョトゥーナ③ビチャマ④サンアントニオ等です。①は、北のエクアドル国境近くにあり、年代等不明ですが、近くのエクアドル側で、そっくりの遺跡が発掘されていて、BC2千~BC3千年とされています。②はランバイェケ市に近い大遺跡、③は、カラルより少し南にあり、色々な建造物等を備えた大きな都市遺跡で、BC3千~BC1.8千年のもの、④はリマ近く、最近の発掘で先土器時代の神殿跡が出ています。

 

 近年、これまで余り重視してこなかった先土器時代(BC1800年以前)の遺跡が相次いで発見されています。今回のペルー訪問で、新しい発見を基に、これまでのアンデス文明の見方を大きく見直すべき時期に来ているとの気持ちを強くしました。

(まとめ:白川光徳)