日 時 |
2022年8月19日(土) 13:30~15:00 |
講 師 |
大城道則(駒澤大学教授) |
テーマ |
「ピラミッドから見た古代エジプト王墓地問題」 |
場 所 |
オンライン(Zoom)形式 ※レコーディング(録音)・引用等は不可 |
今回は王墓地変遷問題、エジプト古王国時代に王墓地の移動に連動してピラミッドの上部構造も変わる問題の解明のため、メイドゥムのピラミッドに焦点を当てます。ピラミッドだけを見ても理解はし難いので、周囲のマスタバ墓から新たな考古学知見を得、この問題に新たな情報提供をできると考え研究しています。
メイドゥム周辺にはマスタバ墓が17基存在しますが、巨大な16、17に注目しました。16はスネフェル王の長男の墓、17は被葬者不明ですが重要な王族の墓と推定されます。元々王族の墓としてマスタバが建造され、発展してピラミッドとなったというのが定説なので、マスタバの調査でピラミッドについても情報が得られる筈です。また元々別の形であったが崩れたメイドゥムのピラミッドは、構造解明の手掛かりとなります。
メイドゥム遺跡調査の成果の一つが最新機器での測量による精密な3D画像の作成です。ピラミッドの外部も内部も測量し非常に精密な画像となり、正確な寸法や外壁の高さや角度(これで元の形状が分かる可能性が高い)などが出ました。またドローンでメイドゥム遺跡全体をスキャンし、デジタル計測により正確な2D・3Dの地図を作製できます。
本研究は「巨大墓を何故造るのか」という問いへの議論の場の提供を目的の一つとし、ピラミッドにおいてもそれだけでなく周囲を見、造った人物の背景を知ることでピラミッドの理解に近づくのではと論じています。
(まとめ:滝沢 玲)
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から